販促レポート
2018/09/27 専門家の解説
同意がなければ労働条件の変更はできない?/飯田橋事務所ニュース
企業は経営環境の変化により労働条件の変更を余儀なくされることがあります。本日は、社会保険労務士法人飯田橋事務所よりの寄稿。労働者にとって不利益となる場合の労働条件変更、その際に注意すべき点を解説。
同意がなければ労働条件の変更はできない?

本日は、社会保険労務士法人 飯田橋事務所が発行する「飯田橋事務所ニュース9月号/2018」よりの寄稿です。労働者にとって不利益となる労働条件変更について、注意すべき点を解説していきます。
原則、労働者の同意を得る
労働条件の不利益変更は、労働者の同意を得るのが大原則です。就業規則の変更によって労働条件を変更する場合も同意を得るのが原則ですが、労働者全員の同意がなければ不利益変更はできないのかというと、そうではありません。
例外、要件を満たせば同意は不要
これについては労働契約法10条に定めがあり、就業規則の変更によって労働条件を変更する場合、就業規則の変更が「合理的なもの」で、変更後の内容を「周知している」のであれば、「同意がなくても不利益変更が許される」としています。
合理的かどうかの判断要素
では、合理的か否かはどのように判断すればよいのでしょう。労働契約法や過去の裁判例では、合理性の判断要素として下記のようなものをあげています。合意しない社員がいた場合、訴訟などのリスクは残ることになりますが、これらの要素をできるだけたくさん揃えておくほど、裁判所が「合理的」と判断する可能性が高まります。
就業規則を整えよう
就業規則がない場合は、労働者の同意なく労働条件の不利益変更をおこなうことはできません。しかし、就業規則がある場合は、同意が得られてなくても前述ような方法が残されています。
なお、労働組合がある企業では、就業規則ではなく「労働協約」によって、組合員の労働条件を変更することができます。
労務ひとこと/外国人技能実習で監督指導、7割で法令違反

厚生労働省は、平成29年に実施した外国人技能実習制度の実習実施者に対する監督指導結果を公表しました。
外国人技能実習制度は、外国人が企業などでの実習を通して技術を習得し、母国の経済発展を担う人材になるよう育成することを目的としています。しかし、実習の現場では、労使協定を超えた残業、割増賃金の不払い、危険や健康障害を防止する措置の未実施などの法令違反が依然して存在します。
公表された結果によると、監督指導を実施した5,966事業場のうち70.8%にあたる4,226事業場で労働基準関係法令違反が明らかになりました。主な違反事項は「労働時間」「安全基準」「割増賃金の未払い」などです。
公表された事例では、二重に労働時間の管理簿を作成して18時以降の時間外労働を隠蔽するケースや、実習生が作業中に転落事故を起こしたにもかかわらず、元請事業者から指導を受けることを恐れて、自宅でケガをしたことにするよう強要していたケースなどがありました。これらのうち34件を、重大・悪質な違反として送検しています。
<ライタープロフィール>

本日は、社会保険労務士法人 飯田橋事務所が発行する「飯田橋事務所ニュース9月号/2018」よりの寄稿です。労働者にとって不利益となる労働条件変更について、注意すべき点を解説していきます。
原則、労働者の同意を得る
労働条件の不利益変更は、労働者の同意を得るのが大原則です。就業規則の変更によって労働条件を変更する場合も同意を得るのが原則ですが、労働者全員の同意がなければ不利益変更はできないのかというと、そうではありません。
例外、要件を満たせば同意は不要
これについては労働契約法10条に定めがあり、就業規則の変更によって労働条件を変更する場合、就業規則の変更が「合理的なもの」で、変更後の内容を「周知している」のであれば、「同意がなくても不利益変更が許される」としています。
- 就業規則の変更が合理的なもの
- 変更後の内容を周知している
合理的かどうかの判断要素
では、合理的か否かはどのように判断すればよいのでしょう。労働契約法や過去の裁判例では、合理性の判断要素として下記のようなものをあげています。合意しない社員がいた場合、訴訟などのリスクは残ることになりますが、これらの要素をできるだけたくさん揃えておくほど、裁判所が「合理的」と判断する可能性が高まります。
- 不利益の程度
- 変更の必要性
- 変更後の就業規則の内容の相当性
- 労働組合等との交渉の状況
- 代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
- 他の労働組合または他の労働者の対応
- 同種事項に関する我が国社会における一般的状況
就業規則を整えよう
就業規則がない場合は、労働者の同意なく労働条件の不利益変更をおこなうことはできません。しかし、就業規則がある場合は、同意が得られてなくても前述ような方法が残されています。
なお、労働組合がある企業では、就業規則ではなく「労働協約」によって、組合員の労働条件を変更することができます。
労務ひとこと/外国人技能実習で監督指導、7割で法令違反

厚生労働省は、平成29年に実施した外国人技能実習制度の実習実施者に対する監督指導結果を公表しました。
外国人技能実習制度は、外国人が企業などでの実習を通して技術を習得し、母国の経済発展を担う人材になるよう育成することを目的としています。しかし、実習の現場では、労使協定を超えた残業、割増賃金の不払い、危険や健康障害を防止する措置の未実施などの法令違反が依然して存在します。
公表された結果によると、監督指導を実施した5,966事業場のうち70.8%にあたる4,226事業場で労働基準関係法令違反が明らかになりました。主な違反事項は「労働時間」「安全基準」「割増賃金の未払い」などです。
公表された事例では、二重に労働時間の管理簿を作成して18時以降の時間外労働を隠蔽するケースや、実習生が作業中に転落事故を起こしたにもかかわらず、元請事業者から指導を受けることを恐れて、自宅でケガをしたことにするよう強要していたケースなどがありました。これらのうち34件を、重大・悪質な違反として送検しています。
<ライタープロフィール>
担当ライター:飯田橋事務所
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