販促レポート
2015/10/21 集客販促
作れば売れる時代は終わった。どうすれば消費者に選ばれるのか?
良い商品であれば売れる、たくさん作れば売れる。かつて当たり前だったことが益々通用しにくくなった現代。ネットによる流通が発達し、消費者の意識が劇的に変化したことが背景にあります。どうすれば消費者に選ばれるのか?本日はそんな基本的な事を考えてみました。
豊かな時代が続き、マーケティングプロセスが大きく変わった

スマホの普及で益々便利になっていく一方、消費者は全ての情報をつかみ取ることが難しくなってきています。こうなると、ユーザーは情報を取捨選択せざるを得ず、より自分のニーズを満たしてくれるサービス・商品を選択するようになります。
しかし、最近ではユーザーが取捨選択をすることさえも困難になってきました。企業が同じような売り込みをするようになったため、ユーザーはどれが本当に良いのか困惑してしまうからです。
<生産志向の時代>
大量に生産し流通させることが求められた。
戦後しばらくはあらゆるものが不足していたこともあり、とにかく大量に生産をして販売するだけで多くの製品が売れたようです。商品も種類も数少なく、ユーザーの意識も「選ぶ」という行為ではなく、「買う」ことに主眼がありました。それはあらゆるものが圧倒的に不足していたからです。高度経済成長期はちょうどこのフェーズでした。
<製品志向の時代>
良い商品・サービスを作ることが求められた。
商品が流通すると、ユーザーは種類や品質を求めます。ただ生産するだけでなく、より良い商品の生産が必要になります。まだ商品自体の種類は少ないので、良い商品や画期的な商品であれば売れました。ただし、この「良い」の基準はユーザーの主観というよりも企業の広告・ブランド力によって左右されていたようです。「良さ」の基準というものは市場に出回っている商品によって、ある程度決まっていたのです。このマーケティング手法を「プロダクトアウト」といいます。
<販売志向の時代>
積極的に売り込むことで生き残りをかけた。
製品志向だった状態が続くと、良質な商品は行き渡ってニーズはどんどん減っていきます。つまり、需要が減って供給過多になるのです。こうなると、販売者側はなんとしても在庫を捌かないといけなくなります。そこで、あらゆる売り出し文句を使って販売していきます。時にはCMをうったり電話営業をしたりして、とにかく売り込みをしかけました。迷惑メールという概念もこの時代ならではの産物です。
<顧客志向の時代>
顧客ニーズの把握が求められる新時代を迎えた。
企業の積極的な販売活動にユーザーが慣れてしまうと、情報に敏感になるユーザーが増えていきます。さらに、スマホの普及により、多くの情報が手軽に得られるようになり、情報そのものに対する感度も高くなりました。ここで重要になってくるのが、ユーザーのニーズを把握した上で製品を企画開発することです。このマーケティング手法を「マーケットイン」といいます。現在はこのフェーズに基づいた、様々なマーケティング戦略が用いられています。
ユーザーのニーズの先にある本当の目的という概念

良い商品を作れば儲かる、とりあえず売っておけば儲かるという時代は去りました。これから大切になってくるのは、いかに自社のユーザーのニーズを理解して、それを踏まえた製品開発・販売戦略を実践するという事です。では、「ニーズを理解する」とは具体的にどういうことなのでしょうか。
ここで、ハーバード大学ビジネススクール名誉教授で「ハーバード・ビジネス・レビュー」の前編集者である、セオドア・レビット氏が語った有名な一句を引用します。
かみ砕いて説明すると、顧客の本来の目的はドリルを購入することではなく「穴を空けること」であるということです。
実はユーザー自身が本質的な悩みに気付いてないかもしれない、という事をこの句は実に上手く表現しています。ユーザー自身の本質的な悩みをキャッチしそれを正しい形で伝えることができれば、つまり商品に本来の目的を満たすことができれば、間違いなく購買行動へ結び付けることができるでしょう。
例えばこのドリルの話であれば、
・今使っているドリルよりもさらに良い商品を提供するのか
・それともドリル以外の手段を勧めるのか
・そもそも穴を空ける必要性を説くのか
などの選択肢の中から、それぞれの企業の特性に合わせ戦略を立てていく必要があるというわけです。いずれにしても今後大切になってくるのは、ユーザーのニーズから本当の目的を見つけ出し、商品やサービスを通し伝えていくことだと思われます。
欲しいものは何でも持っている、だから製品スペックでは選んでもらえない

ソニーのハンディカムは、独自の方法で優位性を出しヒットしました。「子供の成長」という新たな価値を提案したことで、見事に潜在的ニーズを気づかせ、購買意欲を掻き立てました。以下の特設サイトにはプロモーション動画があり、これもまた感動的な出来栄えです。
引用:きみとの1000日を、ずっと。
ビデオカメラといえば、単純に「動画を撮りたい」というニーズを満たす商品で、場合によってはスマホアプリで事足りてしまいます。しかしソニーはこのプロモーションで、「小さな子供を持つ夫婦」の「子供と共に歩んだ成長を記録したい」というニーズの奥にある本来の目的を引き出して見事ユーザーの心をつかみました。
子どもの成長を保存する専用機が誕生した瞬間です。
高スペックは良い商品と評価されなくなった
良い商品を作るだけでは、その他多くの情報に埋もれてしまいユーザーの心に届きません。また、そもそも良い商品とする基準もそれぞれの消費者によって異なってきます。
積極的に売り込むことはもちろん大切なことなのですが、ユーザーのニーズを無視した売り込みではユーザーの心を動かすことはできません。ニーズを喚起しないことには、ユーザーが購買行動に至る可能性は極めて低いからです。
ニーズの先にある本当の目的とは何か?あなたの会社も、もう一度考えてみませんか。
<ライタープロフィール>

スマホの普及で益々便利になっていく一方、消費者は全ての情報をつかみ取ることが難しくなってきています。こうなると、ユーザーは情報を取捨選択せざるを得ず、より自分のニーズを満たしてくれるサービス・商品を選択するようになります。
しかし、最近ではユーザーが取捨選択をすることさえも困難になってきました。企業が同じような売り込みをするようになったため、ユーザーはどれが本当に良いのか困惑してしまうからです。
<生産志向の時代>
大量に生産し流通させることが求められた。
戦後しばらくはあらゆるものが不足していたこともあり、とにかく大量に生産をして販売するだけで多くの製品が売れたようです。商品も種類も数少なく、ユーザーの意識も「選ぶ」という行為ではなく、「買う」ことに主眼がありました。それはあらゆるものが圧倒的に不足していたからです。高度経済成長期はちょうどこのフェーズでした。
<製品志向の時代>
良い商品・サービスを作ることが求められた。
商品が流通すると、ユーザーは種類や品質を求めます。ただ生産するだけでなく、より良い商品の生産が必要になります。まだ商品自体の種類は少ないので、良い商品や画期的な商品であれば売れました。ただし、この「良い」の基準はユーザーの主観というよりも企業の広告・ブランド力によって左右されていたようです。「良さ」の基準というものは市場に出回っている商品によって、ある程度決まっていたのです。このマーケティング手法を「プロダクトアウト」といいます。
<販売志向の時代>
積極的に売り込むことで生き残りをかけた。
製品志向だった状態が続くと、良質な商品は行き渡ってニーズはどんどん減っていきます。つまり、需要が減って供給過多になるのです。こうなると、販売者側はなんとしても在庫を捌かないといけなくなります。そこで、あらゆる売り出し文句を使って販売していきます。時にはCMをうったり電話営業をしたりして、とにかく売り込みをしかけました。迷惑メールという概念もこの時代ならではの産物です。
<顧客志向の時代>
顧客ニーズの把握が求められる新時代を迎えた。
企業の積極的な販売活動にユーザーが慣れてしまうと、情報に敏感になるユーザーが増えていきます。さらに、スマホの普及により、多くの情報が手軽に得られるようになり、情報そのものに対する感度も高くなりました。ここで重要になってくるのが、ユーザーのニーズを把握した上で製品を企画開発することです。このマーケティング手法を「マーケットイン」といいます。現在はこのフェーズに基づいた、様々なマーケティング戦略が用いられています。
ユーザーのニーズの先にある本当の目的という概念

良い商品を作れば儲かる、とりあえず売っておけば儲かるという時代は去りました。これから大切になってくるのは、いかに自社のユーザーのニーズを理解して、それを踏まえた製品開発・販売戦略を実践するという事です。では、「ニーズを理解する」とは具体的にどういうことなのでしょうか。
ここで、ハーバード大学ビジネススクール名誉教授で「ハーバード・ビジネス・レビュー」の前編集者である、セオドア・レビット氏が語った有名な一句を引用します。
販売者は、
しばしば欲求とニーズを混同する。
ドリルの歯のメーカーは、
顧客はドリルの刃に対してニーズを持っていると思うかもしれないが、
顧客の本当のニーズは穴である
かみ砕いて説明すると、顧客の本来の目的はドリルを購入することではなく「穴を空けること」であるということです。
実はユーザー自身が本質的な悩みに気付いてないかもしれない、という事をこの句は実に上手く表現しています。ユーザー自身の本質的な悩みをキャッチしそれを正しい形で伝えることができれば、つまり商品に本来の目的を満たすことができれば、間違いなく購買行動へ結び付けることができるでしょう。
例えばこのドリルの話であれば、
・今使っているドリルよりもさらに良い商品を提供するのか
・それともドリル以外の手段を勧めるのか
・そもそも穴を空ける必要性を説くのか
などの選択肢の中から、それぞれの企業の特性に合わせ戦略を立てていく必要があるというわけです。いずれにしても今後大切になってくるのは、ユーザーのニーズから本当の目的を見つけ出し、商品やサービスを通し伝えていくことだと思われます。
欲しいものは何でも持っている、だから製品スペックでは選んでもらえない

ソニーのハンディカムは、独自の方法で優位性を出しヒットしました。「子供の成長」という新たな価値を提案したことで、見事に潜在的ニーズを気づかせ、購買意欲を掻き立てました。以下の特設サイトにはプロモーション動画があり、これもまた感動的な出来栄えです。
引用:きみとの1000日を、ずっと。
赤ちゃんは、生まれてからたった1000日間で、子どもへとみるみる大きく成長する。
そして、家族もまた、思い出を重ねながら成長する。
一生に一度しか訪れない、この愛おしい日々を、一秒一秒、大切にしながら。
ハンディカムで、キレイに残そう。
ビデオカメラといえば、単純に「動画を撮りたい」というニーズを満たす商品で、場合によってはスマホアプリで事足りてしまいます。しかしソニーはこのプロモーションで、「小さな子供を持つ夫婦」の「子供と共に歩んだ成長を記録したい」というニーズの奥にある本来の目的を引き出して見事ユーザーの心をつかみました。
子どもの成長を保存する専用機が誕生した瞬間です。
高スペックは良い商品と評価されなくなった
良い商品を作るだけでは、その他多くの情報に埋もれてしまいユーザーの心に届きません。また、そもそも良い商品とする基準もそれぞれの消費者によって異なってきます。
積極的に売り込むことはもちろん大切なことなのですが、ユーザーのニーズを無視した売り込みではユーザーの心を動かすことはできません。ニーズを喚起しないことには、ユーザーが購買行動に至る可能性は極めて低いからです。
ニーズの先にある本当の目的とは何か?あなたの会社も、もう一度考えてみませんか。
<ライタープロフィール>
担当ライター:ryusuke
大手広告代理店にて、顧客である百貨店や出版社のリスティング広告運用を担当。その後独立、広告代理店で培ったSEOやデータ分析の知見を活かし、個人メディアを運営する傍らフリーのWebライターとして活動中。執筆テーマは、グルメ関連やビジネス関連など、その他様々な分野のコラムや解説を得意とします。
公式ブログ
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