販促レポート：ついに受動喫煙対策法が施行、飲食店「禁煙化」による売上への影響 【販促ノベルティ卸売りセンター】

2020年4月に全面施行の受動喫煙対策法。屋内でのタバコが全面禁止になり、飲食店は今後、あらゆる対応を迫られそうです。受動喫煙対策法について、禁煙化が売上に及ぼす影響ついて、それぞれ考察していきます。

2020年4月には屋内全面禁煙。禁煙化の流れはさらに加速


昨今の健康志向の流れから「禁煙ブーム」が盛んになり、喫煙者の数は年々減少の一途をたどっています。厚生労働省の国民健康栄養調査の統計によれば、

2009年から喫煙者の数は減少し続けており、
2017年には男性の喫煙率が29.4%、女性が7.2%で、10年前の2007年と比べると、男性は約10%、女性は約4%も減少しています。
国民健康栄養調査の統計｜厚生労働省

2018年の7月に受動喫煙対策法が成立し、2020年4月までに加熱式たばこを含む屋内禁煙が全面施行することが決まりました。
飲食店は、喫煙ブースを設置するか、店内を完全禁煙にする対応が必要になります。既存店舗のうち、資本金が5,000万円以下、客席面積100㎡以下の条件を満たす飲食店は例外で、店内の「完全喫煙」or「完全禁煙」の選択だけで、喫煙ブースの設置義務はありません。しかし東京都に限っていえば、東京都独自に定めた受動喫煙防止条例により「従業員がいる全ての飲食店」が「禁煙化」の対象になります。

一方で、喫煙ブースの設置には多額の費用が発生することから、国では中小企業に対して助成金の交付を行っています。設置費用の3分の2（上限100万円まで）が助成金として交付されます。詳しい条件は、厚生労働省ホームページをご覧ください。

また、2018年10月には、1箱あたり20円のたばこ税増税が決まっており、さらに今後2年ごとに段階的に引き上げられる見通しで、「禁煙化」の流れはさらに加速しそうです。


受動喫煙対策法で飲食店が取り組むべき内容とは？


2020年4月から本格施行される受動喫煙対策法ですが、具体的にどのような内容なのかご存知でしょうか？飲食店が取り組むべき内容にスポットを当てて解説いたします。

喫煙専用室の設置
喫煙専用室（喫煙ブース）の設置が必須になります。売り場面積100㎡以下で、資本金5,000万円以下の場合は規制対象外ですが、東京都の条例では「従業員を雇用している全ての飲食店」が規制対象となり、屋内禁煙か喫煙ブースの設置が義務づけられます。

20歳以下、喫煙ブースへの立ち入り禁止
20歳以下であれば、利用客だけでなく従業員も、喫煙エリアへの立ち入りが禁止されます。特に従業員に関しては、業務中・業務外に関わらず適用され、もし違反して喫煙ブースに入れさせた場合は、義務違反となり指導対象または罰則対象になります。

喫煙・禁煙の掲示義務化
喫煙、禁煙にかかわらず、入店前に判別できるよう掲示しなければなりません。誤認のないような文言にする、掲示物の破損を放置しないなどメンテナンスも求められます。非掲示や掲示標識の破損状態は、義務違反となり指導対象または罰則対象になります。


完全禁煙化で得られるメリットの考察


完全禁煙化によって得られる様々なメリットを考察してみました。今の時代、集客ダウンや売り上げダウンは、必ずしも正当ではないようです。

1.客数増が見込める
子ども連れ／家族連れの場合は、喫煙可能店にはまず入りません。一方で完全禁煙化にすることで、ママ友やファミリーなど、多様な客層を多く呼ぶことができます。こういった層は、大勢で連れ添うことが多く、結果、客数増が見込めます。

2.訪日外国人の来客が増える
株式会社HISが2017年に行った調査では、訪日外国人の喫煙率は10%前後であり、また60%近くが「禁煙ルールがあいまいで混乱する」と回答しています。多言語で禁煙であることを明確に掲示することで、訪日外国人の来客の増加が期待できます。

3.清掃のコストが減る
完全禁煙にすると、灰皿を洗う、喫煙所の清掃、吸い殻の片付け、ヤニによって汚れた窓の定期的な清掃、壁紙の張替えといった手間やコストがなくなります。また、エアコンクリーニングにかかるコストも大幅に減らすことができます。

4.回転率が上がる
特に、席数の少ないお店であるほど、効果を実感しやすいかもしれません。喫煙して長居する人が減るため、回転率の向上が見込まれます。また、灰皿の片付けが減るため、ウェイティングのお客さんをより早く入店させることもできます。

5．イメージ向上に繋がる
渋谷・新宿・池袋や、横浜関内エリアといった「繁華街」の飲食店禁煙化はいま一つのような気がしますが、都心を少し離れたベットタウンでは想像以上に禁煙化が加速しています。健康志向を前面に出せるためイメージ向上に一役買います。


いかがでしたか？
世の中の健康志向にくわえ、たばこ税の増税と、喫煙者数が増える見込みは薄く、先行きは厳しいものと思われます。気は早いかもしれませんが、今のうちに「完全禁煙化」という選択肢も視野に入れてみて、新たな策の一つとして検討してみるのはいかがでしょうか？ぜひ、本日のコラムが参考になれば幸いです。

担当ライター：ryusuke
WordPressサイト制作／Web集客の専門家。大手広告代理店にて、百貨店や出版社のリスティング広告運用を担当。その後独立、広告代理店で培ったSEOやデータ分析の知見を活かし、個人メディアを運営する傍らフリーのコンテンツライターとして活動中。執筆テーマは、集客やマーケティングなどビジネス関連、グルメや音楽関連。
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