販促レポート：あなたの商品サービスを本当に必要としてるお客さんは誰ですか？ 【販促ノベルティ卸売りセンター】

情報社会といわれる現代、消費者は少ない時間の中で自分の気に入った商品やサービスを選んでいます。良いとされる商品やサービスが多くある中、今後どのようにしてライバルのお店や企業に立ち向かっていけばよいのでしょうか？

あなたの商品サービスを本当に必要としてるお客さんを考える


ひと昔前は、良い商品さえ作れば、そこそこの営業力でも売れる時代でした。しかし過去記事にも書いたように、今は「良い製品が売れる時代」や「営業力で売る時代」から、「多様化されたニーズに的確にこたえる時代」にシフトしています。つまり、今までの大雑把なターゲット設定では、お客さんを自分のお店・企業のファンにすることが難しくなっているのが現状です。
過去記事：作れば売れる時代は終わった。どうすれば消費者に選ばれるのか？


ターゲットを設定する必要性
ターゲット設定とは、「商品・サービスを買ってほしいお客さんを決める」ことです。
このターゲット設定の方法は、お店・企業の規模によって異なります。大手企業であれば、より多くの人に向けた商品・サービスを作ることが可能です。なぜならば、テレビ・雑誌・新聞等の力を使い多くの消費者に知ってもらうことが可能だからです。しかし、中小規模のお店・企業がこれと同じことをすれば、すぐに資金は底を尽き経営は成り立たなくなります。
中小規模のお店・企業は、ターゲットをぐんと限定して商売する必要があるのです。


ターゲットを絞ると特別なお客さんだけが残る
ターゲットを絞ると、どうしても「お客さんが減ってしまったらどうしよう・・・」と考えてしまいがちです。確かにお客さんの数自体は減るかもしれません。しかし、去っていったお客さんは、あなたのお店サービスでなくても良かったのです。裏を返せば、残ってくれたお客さんは、あなたの商品サービスを本当に必要としていると言えるかもしれません。
このように、明確なターゲット設定をしているお店・企業は、一部の濃いお客さん（ファン）からの根強い人気を得ている可能性が高いと思われます。



濃いお客さん（ファン）が多いほど、口コミで評判があっという間に広まる


ファンが多い商品サービスほど、口コミで評判があっという間に広まります。このことについては、セス・ゴーディン（＝マーケティングに関する著作で知られる米国の作家）の『「紫の牛」を売れ!』という本のある一節がそれをよく言い表しています。

オタクの消費者こそ、あなたが探しているスニーザーである。
彼らはわざわざあなたの製品について知識を得ようとし、思い切って製品を試し、友人との時間に割り込ませてそのことをしゃべる。
ここで洞察できるのは、ほかの市場よりもオタクの消費者が多い市場があるということだ、そういう市場を見つけ出し、そこに的をしぼり、規模に関係なくうまみのない市場を除外するのが、非凡なマーケターの仕事である。
参照：『「紫の牛」を売れ!』106ページより抜粋

スニーザーとは、「声の大きい人、拡散力を持っている人」のことを指します。
ここでいうオタクは、マニアやファンと同義です。オタクの人々はその特定の分野に対して並々ならぬ情熱を持っています。オタクのお客さんは大多数のお客さんの数倍も商品サービスを買ってくれるでしょう。そしてこのオタクなお客さんは、自発的に、積極的に口コミしてくれるのです。理由は引用した文章の通り、自分の知識をとにかく周囲の人に話したいからです。
ちなみに、SNS等のネット上で拡散力のあるユーザーは、インフルエンサーと呼ばれているそうです。



魅力的な商品サービスは、消費者にとって特別な存在である


広い範囲の消費者をターゲットにして作られた商品サービスは「安全で良い」かもしれませんが、それが魅力的かといえば必ずしもそうとは限りません。その商品サービスでなければならない理由は極めて少ないからです。

妥協は、ほかの顧客層にも買ってもらえるように、突出した点をサンドペーパーで削るようなものだ。
バニラは、妥協したアイスクリームの味であり、ハバネロ・ペカンはそうではない。
参照：『「紫の牛」を売れ!』119ページより抜粋

とあるように、多くのユーザーに向けた商品サービスであればあるほど、魅力はどんどん薄れていきます。次また買いたいと、強い感情を揺さぶられることがないのです。
例えば、中華料理、フランス料理、イタリア料理など幅広いジャンルの料理を出しているお店と、宗教上お肉が食べられない訪日外国人向けの日本料理を出している日本料理専門店と果たしてどちらが魅力的でしょうか？多くの人は、いろいろなものが食べられる前者に集まるかもしれません。しかし、後者は宗教上、お肉が食べられない訪日外国人にとってはなくてはならない特別な存在になります。


大胆にターゲットを絞ることで競うことをやめる
自分の企業・お店のターゲットが決まれば、自分の企業・お店のウリが決まります。多くの人をターゲットにすれば、ウリは自然と多くなって、しまいには曖昧なものになります。
ライバルに対抗するため、多様化したユーザーのニーズ全てにこたえるのは、必然的に体力勝負となります。中小規模のお店・企業が資金のある大手企業に対抗できるただ一つの方法は、ターゲットを大胆に絞ることです。ターゲットを絞ることで、そもそも競う必要がなくなり、かつ自分を必要としてくれるお客さんに対して的確に商品を届けることができるのです。
皆さんの会社も、商品やサービスを本当に必要としてるお客さんをもう一度考えてみませんか。


＜ライタープロフィール＞

担当ライター：ryusuke
大手広告代理店にて、顧客である百貨店や出版社のリスティング広告運用を担当。その後独立、広告代理店で培ったSEOやデータ分析の知見を活かし、個人メディアを運営する傍らフリーのWebライターとして活動中。執筆テーマは、グルメ関連やビジネス関連など、その他様々な分野のコラムや解説を得意とします。
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