販促レポート：売り上げ倍増、ピンチをチャンスに変えるプラスの表現 【販促ノベルティ卸売りセンター】

同じ物事でも角度を変えて表現すると、まるで違った意味になることがあります。例えば、「落ち着きがない」は「活動的」に、「消極的」は「思慮深い」などです。マイナスの雰囲気を持つ言葉であっても、プラスの表現に転換することで、上手に消費者に伝えることができます。

表現を変えただけで売り上げが倍増した事例


オイルヒーターという暖房器具をご存知ですか？
オイルを内蔵するパネル型のヒーターで、「輻射熱」の力によってお部屋全体をじんわり自然に温める暖房器具です。
イタリアのデロンギ社によって1900年代の終わり頃から、日本国内でも販売されるようになった「デロンギオイルヒーター」がその代表格で、今では世界70か国以上で愛用され、累計販売台数は約5,000万台以上を誇るヒット商品に成長したのだそうです。

ところがこのオイルヒーター、日本国内での発売当初は全く鳴かず飛ばずだったそうです。
石油ストーブなどと比較し高額だったことだけでなく、最大のデメリットとして「温かくなるのが遅い」や「構造的に暖かくならない」が挙げられたそうです。

特に当時の暖房器具といえば、今と同じく石油ファンヒーターが主流で、どのメーカーも瞬間的に部屋を暖める機能への追及を競っていたという背景がありました。


ピンチをチャンスに変えるプラスの表現


最大のデメリットの「構造的に暖かくならない」という特性を、そのまま表現しては販売増になりません。そこで考えだされたのは、こちらのプラスの表現だったそうです。

• 温風を出さないから、ノドが痛くならない
• 急速に温めないので、身体に優しい
• 寝室専用の暖房器具

上記のような表現方法で売り出したところ、小さな子どもを持つ家族や健康促進への意識が高い家庭を中心に、瞬く間に人気商品となり、今では暖房器具を購入する際の一つのカテゴリとしてしっかりと根差すようになりました。
同じ商品なのに、表現方法を変えただけでこんなにも売り上げが倍増した、というピンチをチャンスに変えた巧い事例です。

デロンギオイルヒーターの公式サイトを見てみると、当時のプラスの表現が今なお生かされており、「空気を汚さず、乾燥しにくい暖房。」や「乾燥しにくい、ワンランク上の暖かさ」といった上手なキャッチコピーが随所に散りばめられています。
参照：空気を汚さず乾燥しにくい暖房。デロンギ・オイルヒーター


マイナス要素をプラスに変える具体的事例


表現を変えただけで売り上げが倍増する可能性についてご理解いただけたでしょうか。では実際にどんな場面で用いられているのか、さらに具体的な事例でご紹介します。

• 「重い」は「重量感溢れる荘厳さ」
• 「古い」は「歴史と伝統がある」
• 「中古品」は「大切に使われたアンティーク」
• 「手間がかかる」は「作り上げる楽しみがある」
• 「納期に時間がかかる」は「丁寧に仕上げるので時間がかかる」

「こちらの商品は、重くて古い中古品です。手間がかかるうえに納期に時間がかかります。」
と言ってしまえば身も蓋もありませんが・・・下記の表現ならどうでしょう。

「こちらの商品は、重量感溢れる荘厳さで歴史と伝統のもと大切に使われたアンティークです。作り上げる楽しみがある反面、丁寧に仕上げるのでお届けに時間がかかります。」

と表現を工夫するだけで、素晴らしい価値ある商品として上手に消費者に伝えることができます。ほかにも、

• 「消極的」は「思慮深い」
• 「落ち着きがない」は「活動的」
• 「協調性がない」は「独立心が強い」

など、表現を工夫するだけでプラスの面を上手に伝えられます。これらはビジネスシーンで転用できますし、何しろ一切のコストを掛けずアイデア一つで実践できるとてもありがたい販促テクニックです。


いかがでしたでしょうか。
物事には、プラスの面とマイナスの面が必ず存在します。片方から見える事実にとらわれず、ピンチをチャンスに変えるプラスの表現を実践し、売上倍増に取り組んでみてください。
なお本稿は、「予算ゼロでも効果がすぐ出る　売り上げが3倍に上がる！販促のコツ48」著者：酒井とし夫　出版：日本能率協会マネジメントセンター　を参照し執筆いたしました。ご興味のあるかたは、実際に手に取って本書をお読みください。とても参考になります。
参照：予算ゼロでも効果がすぐ出る　売り上げが3倍に上がる！販促のコツ48


＜ライタープロフィール＞

担当ライター：h.nakano
数あるノベルティグッズ取り扱いサービスの中から、ご訪問いただきありがとうございます。販促ノベルティ卸売りセンターを運営するサンソニック株式会社の代表取締役社長です。商品企画開発とシステム&サーバ運用を担当、人気コンテンツの「名入れ制作事例」ではエディタとして取材執筆するほか、素人ながらスチール撮影も何とかこなしております。
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